NEWS NO.122(2014年度)
ようこそ先輩!建学原論で石井万寿美氏が特別講義
12月10日(水)・11日(木)の2日間、1986年に本学を卒業した獣医師、石井万寿美氏を黒澤記念講堂に招いて「建学原論」の特別講義が行われ、1年生約400名が熱心に耳を傾けました。
石井氏は、本学を卒業後、勤務医を経て大阪府守口市に動物病院「まねき猫ホスピタル」を開業し、臨床獣医師として犬や猫を診察。その傍ら、アニマルライターとして新聞や雑誌に連載をし、『動物のお医者さんになりたい』シリーズ(コスモヒルズ)や『ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日』(青土社)など、多数の著書が出版されています。
はじめに、安宅一夫名誉教授が石井氏について、「まねき猫ホスピタルの院長として毎日診療をしている傍ら、講演やTV出演を行い、新聞に連載記事を執筆し、社会貢献をしている、まさに尊敬すべきスーパー獣医師です」と紹介しました。
石井氏は「彼女たち(私)の獣医学入門」というテーマで講演しました。はじめに、臨床の現場で現在起きていることについて話し、まねき猫ホスピタルで行っているがんの次世代治療を紹介しました。「温熱療法、免疫療法などを取り入れ、千葉大学医学部との共同研究を行っています。人間では規制があって難しい臨床試験でも、動物が対象ならば行うことができます。人間のがんは治らなくても犬や猫のがんは治り、それが人間の治療へと生かされる、そういう時代が来るかもしれません」。
次に学生時代について語りました。「名寄の酪農家で20日間の学外農場実習をしたことは、その後の大きな糧になりました。酪農家が休みがないということは本で読んで知ってはいましたが、実習でそれを体で実感しました。みなさんも、学生時代にできる限りいろいろな体験をしてください。
私は学生時代は文章を書くのが苦手でしたが、今は執筆活動にも携わっています。三愛精神とは『神を愛し、人を愛し、土を愛す』です。文章を書くというのは、土を愛することだと思います。体験に基づいて書いている、つまり自分の土壌を愛し、それを描いているからです。私は文章は決して上手ではありませんでしたが、優秀な編集者の方たちの助力を得て、連載をして本を出版することができました。お金持ちにはなれませんでしたが、たくさんの良い人たちにめぐり会えて、『人』持ちになれました。これは自慢できることだと思っています」。
最後に、学生たちに対して「他人にはまねのできない、自分だけができること、自分の得意なことを見つけてください。みなさんしか持っていない土壌を耕してください。そして、自分が得た経験を少しでも社会に還元し、社会貢献をしたら、世の中は変わっていくと思います」と激励の言葉を述べました。
講演後には、石井氏の著書『動物のお医者さんになりたい』をモデルに、本学のキャンパスを舞台にNHKが製作して2002年に放映されたドラマ「彼女たちの獣医学入門」の映像が紹介されました。
まねき猫ホスピタルホームページ
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/manma/index.html
石井万寿美氏フェイスブック