NEWS NO.150(2016年度)
「第52回酪農公開講座 酪農家の経営安定に向けて」を開催
エクステンションセンター生涯学習課は、11月17日(木)、長野県松本市の松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)小ホールおいて「第52回酪農公開講座 酪農家の経営安定に向けて」を開催し、105名の参加がありました。同講座は、大学の教育・研究の成果を実際の酪農経営に役立ててもらうことを目的として、毎年、道内外で開催しており、長野県松本市での開催は初めてとなりました。
主催者を代表し竹花一成学長は、「常に生産現場の最前線で仕事をされているお二人の先生から、生産者や関係機関の皆様に、広くお役に立つ情報が発信されることと思います」と挨拶されました。また、開催地代表として、長野県松本家畜保健衛生所木下茂人所長は、「長野県においても、2015年度から酪農生産性向上対策として、飼養環境の快適性向上などに関して事業化しており、今回の講座は、次世代の酪農経営を考える絶好の機会になるものと期待しています」と挨拶されました。
講演内容については地元からの要請を受け、講演1では農食環境学群髙橋圭二教授が「乳牛の生産性を高めるカウコンフォートに配慮した牛舎構造」として、乳牛にとって快適な牛舎の条件とその効果、飼養管理方法別につなぎ飼い牛舎とフリーストール牛舎の構造などについて解説し、作業者が乳牛の行動を理解し、乳牛の行動を妨げない構造の牛舎の中で作業を続けることにより、乳牛にとっての快適性は向上し、生産性も向上することを話されました。講演2では獣医学群大塚浩通准教授が「子牛の免疫システムの成熟と感染症」
として、子牛の免疫システムの特徴と免疫機能を低下させる要因について解説し、牛のストレス軽減の重要性、乾乳期の飼育管理の重要性などについて話されました。その後のエクステンションセンター髙橋俊彦所長を座長としたパネルディスカッションでは、参加してくださった長野県南安曇農業高等学校の多くの高校生や酪農家の方々から多くの質問が寄られ、また、終了後に回収したアンケートでも、「牛舎構造についての講演はあまりなく、とても参考になった」「子牛育成期の粗飼料の大切さがよくわかりました」「アミノ酸給与が抗生物質より下痢対策になるとは発見です」「先生方と一緒に農場を巡り、牛舎や飼養管理の着眼点と指導、改善をその場で聞き、勉強したいです」などの意見が多く寄せられ、「酪農公開講座」開催の意義を改めて感じることができ、「第52回酪農公開講座」は無事終了しました。