NEWS NO.141(2016年度)
-えべつ市民カレッジ・道民カレッジ連携講座-
市内四大学連携協力講座「2016ふるさと江別塾」を開催
大学の「知」を生かし、まちづくりや身近な問題の学習機会の場として、江別市と江別市教育委員会が主催となり、市内4大学が連携して講座を開設する「2016ふるさと江別塾」が、10月22日(土)、本学で開講されました。この「ふるさと江別塾」は今年で17回目になり、近郊の一般市民56名が受講しました。
講義1 9:30~11:00「環境変動(気候変動等)によって生態系に生じる『レジームシフト』について」
講師:農食環境学群 教授 矢吹哲夫(生命環境物理学研究室)
矢吹先生は、地球温暖化の原因は1つに特定できないが、結果は一致しているという現状を、大雪山の高山植生の観測結果を例にして、レジームシフトの考えを用いて解説されました。生態系の大きな変化を短期間で生じさせる原因となる環境変化は緩慢に進行し、ある一点(不安定相)を越えることにより一気に環境変化が進み、一度変化が起きれば元の状態に回復させるには、より厳しい環境条件が必要になることを、大雪山における高山植物とチシマザサの植生変化の観測をもとに説明されました。
講義2 11:10~12:40「北海道の新定番食品へのトライアル-サケ節の商品化と全道展開-」
講師:農食環境学群 教授 阿部茂(食品企画開発論研究室)
阿部先生は、羅臼町での雇用の創出、特産品としての経済効果、利用度の低いブナサケの高付加価値化と有効利用の目的のほか、節業界の危機感もあり、「サケ節」を地域特産品として6次産業化を進める動きにつながり、商品化され、全道での生産へと発展していったという、「サケ節」の誕生秘話を話されました。「サケ節」の栄養、味などの説明のほか、広報活動やブランド化に向けての活動も報告され、「サケ節」と「カツオ節」の食べ比べも行われ、講義は終了しました。
講義終了後、「ふるさと江別塾」の閉講式が行われ、主催者を代表して三好昇江別市長が、「ふるさと江別塾は、江別にある4つの大学の協力を得て始まり、今年で17回目となります。えべつ市民カレッジの1つに位置付けられており、昨年度から手帳を発行し、管理してきましたが、今年度、えべつ市民カレッジの修士号を取得される方が生まれることになりました。今後も市民の皆様に生涯にわたる学習の機会を提供していきたいと思っております」と挨拶されました。本学からは竹花一成学長が、「江別市には4つの大学とJAカレッジという職員養成学校があり、それぞれ異なる専門教育を行っております。地域の方々に対しても、様々な分野での情報提供も可能かと思います。大学として協力していきたいと考えておりますので、大学を利用してください」と挨拶されました。挨拶終了後、えべつ市民カレッジ学位授与式、「ふるさと江別塾」皆勤受講者への修了証授与式が行われ、該当の方々に学位記と修了証が渡され、「2016ふるさと江別塾」は終了しました。