NEWS NO.107(2013年度)
小野寺秀一教授ら6名が発明協会会長奨励賞を授賞
本学食と健康学類の小野寺秀一教授、上野敬司講師、大学院酪農学研究科 塩見徳夫特任教授と大高酵素株式会社との共同研究「新規異性体蔗糖の製造方法及び用途」が、科学技術の向上と地域産業振興へ貢献したと評価され、2013年度北海道地方発明表彰の発明協会会長奨励賞を授賞しました。
表彰式は2013年10月28日(月)に小樽市のグランドパーク小樽で行われ、賞状と盾が贈られました。
今回の研究は、オリゴ糖の大量生産技術の一端として、安価な材料から新規オリゴ糖の合成を行うことにより製造コストを抑えた上で、その性質においても利用価値があり、新しい食品素材の提供することを目的としております。
小野寺教授らは、安価な材料であるD-グルコースとD-フルクトースを粉末の状態で混合し、水を加えることなく100℃以上で加熱して反応させた後、反応物に水を添加し溶解させ、その水溶液から活性炭カラムクロマトグラフィー、そして高速液体クロマトグラフィーにより、結合の向きが異なる新規の異性体蔗糖であるβ-D-フルクトフラノシル- (2↔1)-β-D-グルコピラノシドの取得に成功しました。
その性質は、蔗糖と構造は近いが、その機能性は全く異なる新規のオリゴ糖であり、難消化性で甘味を持ち、ビフィズス菌の増殖作用があることから、健康志向が高まる現代のニーズに合う新しい食品材料や医薬品素材としての活用が大いに期待されます。
小野寺教授は「産学連携で卒業生とともに取り組んだ共同研究が評価されたことをとてもうれしく思います。塩見特任教授より引き継いで行っているオリゴ糖の研究は着実に進展しており、実績を積んでおります。今後も継続し、科学技術の向上と社会に貢献できる研究を進めていきたい」と語りました。
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◆発明協会会長奨励賞 「新規異性体蔗糖の製造方法及び用途」
・小野寺 秀一 酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類 教授
・上野 敬司 酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類 講師
・塩見 徳夫 酪農学園大学大学院 酪農学研究科 特任教授
・山森 昭 大高酵素株式会社 総合研究所 小樽研究室 室長
・岡田 秀紀 大高酵素株式会社 総合研究所 所長
・川添 直樹 大高酵素株式会社 総合研究所 伊達研究室 室長
【実施功績賞】
・今井 政一 大高酵素株式会社 代表取締役社長