循環農学類3年 喜多遼太朗
今月は牧場主が半月旅行に出かけていたため、従業員と2人ですべての仕事をこなさなくてはならず、忙しい日々を過ごしていました。しかし、普段やらない仕事を、明かされたり、今まで考えていなかったことまでを考えなくてはいけなかったりと、まだまだ学ばなきゃいけないことが沢山あることを再認識できた良い時間になりました。さて、今月はデンマークで開催された2年に1度の北ヨーロッパ最大の農業機械展に参加してきたこと、同じデンマーク研修生(雄太)の配属農場にあるチーズ工房を見学してきたことについて書きたいと思います
まず初めに、農業機械展についてです。北ヨーロッパ最大規模という事もあり、僕の想像をはるかに超える規模で驚きました。農業関係者は入場料無料だったため(本来は約2000円ほどかかります)、農業研修生の僕も無料チケットで入場することができました。大きな会場に、所狭しと農業関係の会社がブースを開いており、会場を1周するのに2時間以上かかりました。
もちろん、牛に関係のある会社の展示品や、その会社の方と話すことはもちろんですが、普段見ることのない養豚関係の機械や、畑作に関する機械を見ることが出来たこともすごく良い経験になりました。



そこで牛を環境問題の標的から守る団体の方と話しました。牛が発生するメタンガスが地球温暖化に大きな悪影響を及ぼしている、という理由から、ヨーロッパでは牛の頭数を減らしたほうがいいという意見を持っている人が多くいます。事実、デンマークでは、牛を飼うことに対して沢山の法律が作られ、ある農家では書類整理担当の人を雇わなくてはいけないほど書類作成が大変になっていたり、オランダでも、高価な牛の登録費用(1頭当たり20万円ほどだったと思います)を払わなくてはならない法律が出来たりなど、牛を減らそうという動きが活発化してきています。
しかし、僕が今回話した団体の意見としては、牛は何千年も前から地球に存在し、人間が後から工場や車を発明したのにも関わらず、地球温暖化という問題が発生した今、その原因を牛に押し付けるのはおかしい、というものです。
今、日本では規模拡大の流れがありますが、将来的に環境問題がさらにクローズアップされ、牛の数を減らそう、というこの流れが世界規模になっていくのではないかと感じました。
次にチーズ工房を見学してきたことについて書きます。雄太が配属されている農場には小さなファームショップがあり、主にチーズを製造、販売しています。そこのチーズの大きな特徴は生乳(加熱殺菌をしていない牛乳)を使ってチーズを作っているという事です。牛乳を使って作ったチーズも作っているのですが、同じ工程でも生乳と牛乳では味が全然違います(生乳から作るチーズの方が味が濃いイメージでした)。雄太の配属先は有機酪農をしているため、オーガニックのチーズを作っているのですが、その工程にもいくつか規制があり、面白かったです。
また、そのチーズの販売方法は、牧場にあるファームショップで売るのとは別に、沢山のファームショップからこういったチーズなどを集め、スーパーマーケットなどで販売をする会社に委託していました。
日本でも6次産業化をする農場は増えていますが、販売面で課題を抱えるところも多く、こういったファームショップとスーパーマーケットの仲介を行う企業があると、販売面の問題が解決するのではないかと感じました。


