循環農学類3年 藤山真梨
私は国際農業者交流協会(JAEC)を通して2017年3月から1年間スイス、トゥールガウ州の複合農家で農業研修をした。渡航して初めの2週間はドイツにある語学学校に通った。語学学校での生活はとても有意義なもので、放課後は他の国の人たちも交えサッカーをしたり、隣町に買い物に行ったりした。

語学学校にて ドイツ・スイス研修生と
私が配属された農場は主に乳牛(38頭)と果樹(リンゴ、ナシ)を飼養栽培している家族経営の農家で従業員はおらず毎年研修生を受け入れていて私で13人目の研修生だった。1日のスケジュールは5時半起床、朝6時から仕事が始まり9時頃まで搾乳、朝食後12時まで午前の仕事、昼食休憩、13時半から16時15分まで午後の仕事、それから搾乳、終わるのは早い時で18時半遅くて19時半くらいで夕食後何度か草やりをしてすべての仕事がおわるのは20時すぎくらいだった。そして21時半就寝、というのを月曜から土曜まで頑張り、日曜は思いっきり遊んだり、休んだり、リフレッシュする繰り返しだった。午前午後の仕事というのはフォークリフトを使って牛床の藁を入れたり、石灰を撒いたり、春夏は牛が食べる草をフォークで集めたり、枝の剪定をしたり、秋は収穫選別作業、雨の日や外の仕事がない時はアイロンがけをしたり、掃除をしたりもした。
中でも印象に残った出来事は、家族親戚総出でリンゴの収穫をして最後にパーティーをしたことや、ブラウンスイス種だけの共進会を見に行ったことだ。

共進会の様子

リンゴを食べる牛

放牧中の牛

リンゴの収穫作業

家事の一環でお菓子作りも

ナシの収穫作業
1年間の実習は決して楽なものではなかったし、日本を離れ1人での仕事をしていると寂しくなったりもした。ただ、スイスで農業研修生として働くことができた1年は一生で思い出に残る濃いものだった。1年入ってみてスイスの農業は経営規模が小さいながらも多くが循環農法を取り入れ、持続可能な農業をしており、かつ、家畜福祉の考えが確立されており、どのスーパーマーケットでもオーガニックコーナーがあることや、スローフードマーケットが大規模で開催されるという点から消費者のオーガニック商品に対する意識も高いことが分かった。
私は今後実習の経験を生かし、環境に優しい農業と各国のオーガニックに対する意識についての調査を行いたい。

階級化中に訪れたツェルマットで見たマッターホルン

秋のベルン

冬のクリスマスマーケット

クリスマスはパリで

家政学校での織物体験