NEWS NO.156(2016年度)
RGU生物図鑑~『ナナカマド( 七竈 )』~
学 名:Sorbus commixta 英 名:Japanese Rowan
バラ科(Rosaceae) ナナカマド属(Sorbus)
【ナナカマドあれこれ】
- 真っ赤な実の房を垂れ下げるナナカマドは、秋から初冬にかけて学園の風景を彩る美しい樹木のひとつです。
- ナナカマドは寒さに強く育てやすく、病害虫の発生も少ない樹木です。
- 「慎重」「安全」「私はあなたを守る」などの花言葉から、北海道においては、雪道の交通安全を願う街路樹として広く利用されています。
- ナナカマドの和名は「たいへん燃え難く、七度かまどに入れても燃えない」(牧野日本植物図鑑)ということから名付けられました。しかし、「ナナカマドの薪でよく暖を取った。この木の材はよく燃えて、決して燃え残ることは無い」(『植物の由来』中村浩氏)との記述もあるほど、「ナナカマド」の名の由来には諸説があります。
- ナナカマドの近縁種に、セイヨウナナカマド(Sorbus aucuparia)があります。日本のナナカマドより橙色が強く、やや大き目の実をつけます。セイヨウナナカマドの果実はロアンベリー(rowan berries)と呼ばれ独特の苦味を持っていますので、ジャムやゼリーの材料として利用されています。
- Sorbus(ソルブス)は「ナナカマド属」をさす古ラテン語に由来しますが意味は不明です。Commixtaは「混合した」の意味があります。
- 高山性の落葉性高木で、初夏に直径1cmくらいの小さな白い花が房状になって咲かせます。秋に実は熟して真っ赤に色づき、落葉後も木を彩り、私たちの目を楽しませてくれます。
- 葉は細長く先が鋸歯状になる小葉で、その小葉は9~15枚の奇数羽状複葉になります。
- ナナカマドの実はソルビン酸を含んでおり、苦いので食べるには適していません。
- 北欧神話にトールという名の雷神がいます。トールはとても親切で、神々の中でも一番の力持ちの農民の守り神です。ある時、大洪水にあい溺れそうになりました。ナナカマドの木につかまり助かりました。そこで、北欧の人々は船をつくる時には、航海の安全の願いをこめて、ナナカマドの木を加えました。「安全」という花言葉の誕生です。