NEWS NO.98(2016年度)
就職懇談会を開催

竹花一茂学長
はじめに、竹花一成学長があいさつしました。
「本学は酪農学園大学という名前ですが、農学系だけではなく、生命科学や文系の分野もあります。創設者の黒澤酉蔵の教えを学んでもらうため、1年生の基盤教育に力を入れており、学群・学類に関係なく全員が農場で実習し、建学原論を学びます。建学の精神である三愛精神に徹した人間教育を行い、良識(心身の健康)と情操(教養)、信念をしっかり持った「のびしろ」のある学生を社会に送り出すことを目指しています。大学時代に培った生活基盤や人間性が卒業後の人生に影響します。私は学生に対して、「専門家である前に人であれ」と言っています。企業の皆さまには、本学の教育にご理解をいただくとともに、学生のインターンシップ受け入れについても検討していただければ幸いです」。

保原達就職部次長
次に、保原達・就職部次長が、本学の就職支援への取り組みを紹介しました。
「2015年度の卒業生の就職率は94.9%でした。農や食をはじめ幅広い分野に就職しています。就職先は学類ごとに特徴があり、循環農学類の学生は農協、乳業メーカー、農業・食品関連、食と健康学類は食品製造業、食品卸売・小売業、医療・福祉施設、環境共生学類の学生はコンサルタント・調査会社、公務、情報通信業など、獣医学類の学生は公務(獣医職)、動物病院、農業共済組合、製薬会社、獣医保健看護学類の学生は動物病院、検査機関、農業共済組合、公務などとなっています。
就職支援としては、1年次に農場実習など実際の現場を経験する実学教育を行い、2・3年次にはキャリア教育としてプレゼンテーション力、コミュニケーション能力、協調性、客観性などを養う講座を行っています。また、課外講座を通じてエントリーシートの書き方や集団面接、ディスカッションの指導を行うほか、10名の相談スタッフによる個別支援を行っています。本学には現場に強い学生が多いので、企業の皆さまにはぜひ注目していただきたいと思います」。

食と健康学類4年の浦出涼平さん
続いて、「大学での成長プロセス」として、3名の学生がパワーポイントを使って、大学で学んでいることの一端を紹介しました。
食と健康学類4年、肉製品製造学研究室の浦出涼平さんは、「出身は北海道留萌市です。酪農学園大学は実習が多く、食品について実践的に学べることと、高校の先生の勧めで入学しました。作物のほ場や牛舎などでの実習や、乳製品や肉製品づくりの実習を通して、生産現場から製造・流通・販売までの流れを理解することができました。卒業論文のテーマは「塩分の添加量の違いがビュンドナーフライッシュに及ぼす影響」です。先日、東京で開催された全日本大学対抗ミートジャッジングの大会に仲間と参加し、昨年よりも良い成績を挙げることができました。大学では、専門知識と仲間との絆を得ることができたと思います。学んだ専門知識を生かして食品に関わる企業に就職します」と話しました。

環境共生学類4年の杉原瑞菜さん
環境共生学類4年、野生動物保護管理学研究室の杉原瑞菜さんは、「出身は島根県で、野生動物について地元とは異なる環境の中で学びたいと思い、酪農学園大学に入学しました。サークルは音楽研究会に入っています。環境共生学類には野生動物学コースと生命環境学コースがあり、私は野生動物コースに所属しています。研究室ではシカやカエル、ザリガニ、カメなど野生動物の保護管理について研究していて、道内各地のフィールドに出かけて様々な調査を行っています。近くの小学校に出向いて環境教育を行う活動もしています。卒業論文は、北海道浜中町におけるエゾシカの牧草地への出没状況や食害を調べてまとめる予定です。将来は、地域を活性化させる仕事に就きたいと思っています」。

獣医学類5年の金谷麻里杏さん
獣医学類5年、獣医寄生虫病学ユニットの金谷麻里杏さんは、「出身は北海道北斗市です。動物が好きで、将来は動物に関わる仕事がしたいと思っていました。大学のオープンキャンパスに参加し、魅力を感じて入学を決めました。サークルはESS(英語研究会)に入っています。1年生のときにマレーシア研修に参加してボルネオ島の野生動物に触れ、エクステンションセンターのカナダ短期語学研修にも参加しました。獣医寄生虫学ユニットでは、浅川満彦教授の下で、ペットや家畜以外のエキゾチックアニマルを扱っていて、野生動物の寄生虫の検出や同定、傷ついた野生鳥獣の救護、一般市民向けの講座、小学生向けの研修などを行っています。将来は鳥類の獣医師になるのが夢です」。

中辻浩喜フィールド教育研究センター長
次に、酪農学園フィールド教育研究センター長の中辻浩喜教授(家畜栄養学研究室)が、「酪農学園大学におけるFEDRECを活用した実学教育の実践」と題して講演を行いました。
「酪農学園の教育方針は、建学の精神である三愛精神と健土健民の理念の下、実学教育を行うというものです。学園の歴史は農場の歴史であり、実学教育には附属農場が不可欠です。2011年度から大学の改組を行いましたが、その目玉は800名の新入生が牛や作物に触れる健土健民入門実習と基礎演習(基礎ゼミ農園、収穫感謝祭)を行う基盤教育です。改組に合わせて大学と附属高校の実学教育に関わる組織や施設整備、教育運営を一元化することとし、フィールド教育研究センターが設置されました。乳牛を飼育する酪農生産ステーション、肉牛や中小家畜を飼育する酪農生産ステーション、温室やビニールハウス、ほ場からなる作物生産ステーションの3つのステーションがあります。全国の大学附属農場の中で、家畜の飼養頭数は最多です。今後は、基盤教育のみならず、専門基礎・専門教育、専門研究、外部との共同研究、生涯学習・社会貢献の場としても機能を充実していきたいと思っています」。
懇談会終了後には懇親会場に移動し、本学の教職員と企業の方々が情報交換を行いました。