NEWS NO.81(2016年度)
日本動物看護学会第25回大会で、小倉美咲さんが奨励賞を受賞
7月2日(土)・3日(日)に本学で開催された、日本動物看護学会第25回大会において、大学院・獣医学研究科獣医保健看護学専攻修士課程2年の小倉美咲さん(動物理学療法研究室 椿下早絵准教授)が、一般演題発表の部(口頭発表)で奨励賞を受賞しました。
小倉さんの研究は、頸部椎間板ヘルニアを発症して四肢麻痺となり、自力起立および歩行が不可能になった12歳の柴犬の、手術後のリハビリテーションについてです。症例は手術を受けましたが、神経圧迫物質が一部癒着していたため、完全に取り除くことはできませんでした。そこで術後1日目からリハビリを開始することとし、飼い主からきめ細かな情報を得て方策を模索した結果、より良いリハビリ方法を見つけ出すことができ、症例は術後26日目に自力歩行が可能となり、36日目にはほぼ正常に日常活動ができるようになりました。
●小倉美咲さん
「術後に行ったレーザー治療と超音波治療、車椅子を用いた歩行訓練が、症例に対し良い効果をもたらしたと考えられます。車椅子の使用は歩行機能の改善だけではなく、飼い主さんの負担軽減にもつながり、継続的なリハビリが可能となりました。リハビリは継続することがとても大切で、回復のためには飼い主さんとしっかりとコミュニケーションをとり、症例に関する多くの情報を得て、安全で効果的なリハビリプログラムを作ることが重要です。これまで多くのリハビリをしてきましたが、リハビリを行いながら、症例の性格を聞き、好きなおやつやおもちゃなどを使ったり、だっこをして安心させたり、心を開いてくれるように工夫をしています。
大会での発表は、事前に椿下先生にご指導をいただいて練習を積みましたので、本番では全く緊張せずにできました。今回の受賞は、椿下先生と、一緒に口頭発表をした同じ研究室の坂巻彩夏さんのおかげで、3人で獲得した賞だと思っています」。