NEWS NO.70(2016年度)
北村浩教授らの研究が、平成28年度「東和食品研究振興会の学術奨励金」に採択

北村浩教授(左から一人目)と研究チーム
一般財団法人東和食品研究振興会は、食品科学に関する学術研究を奨励援助し、国民生活の向上と学術研究に発展に寄与することを目的として、それに沿った研究に学術奨励金(1研究に上限200万円まで)を授与しています。平成28年度の対象研究に、獣医学類の北村浩教授(獣医生理学ユニット)らの研究「ゲノム編集技術と核移植技術によるIARS異常症牛の根本的な治療への試み」が採択されました。
IARS異常症とは、黒毛和種の常染色体の遺伝病で、第8染色体のIARS(isoleucyl-tRNA synthetase)遺伝子が変異し、タンパク質の合成が障害されて自力での起立が困難となり、死に至ります。現在は、変異を保因する牛を繁殖から外すしか対応方法がありませんが、保因牛は肉質が良い個体が多いため、異常がある遺伝子の治療が強く求められています。北村教授の研究チームは、本学が保有するIARS異常症牛を用いて、細胞のゲノム編集を行い、それを健常牛の受精卵に核移植することで、IARS異常症の克服を目指しています。
7月7日(木)には、本学肉畜生産ステーションにおいて、IARS異常症の原因遺伝子を保有する4頭の牛から治療に用いるサンプルが採取されました。北村教授のほか、共同研究者の堂地修教授(家畜繁殖学研究室)、小岩政照教授(生産動物内科学Ⅱユニット)、岩野英知教授(獣医生化学ユニット)と学生たちが、作業を行いました。
