NEWS NO.82(2014年度)
酪農学園大学獣医学科創立50周年記念講演会を開催
酪農学園大学獣医学科の創立50周年を記念して、10月17日(金)、黒澤記念講堂において講演会が開催され、獣医学科の学生、卒業生や教職員約600名が聴講しました。
はじめに、本学の加藤清雄名誉教授(獣医学科獣医生理学ユニット、獣医保健看護学類動物理学療法学ユニット2014年3月退任)が「獣医学科50年を振り返る」と題して、講演を行いました。
加藤名誉教授は、獣医師会の反対を乗り越えて獣医学科が設置された経緯、講座数や教員数の拡充、施設の変遷など、獣医学科の50年の歩みを振り返りました。学生との親睦・交流を、過去の貴重な写真を紹介しながらユーモアを交えて解説し、会場からは何度も笑い声がわき起こりました。
最後に「酪農学園大学獣医学科が設置されて50年、酪農を支える臨床獣医師を養成するという設置の目標は十分に達成され、充実、発展してきました。獣医師が関わる全ての分野をバランス良く網羅していることにおいては、全国一の教育をしていると私は思っております。これからも本学がリードしていく姿勢で、日本の獣医学の発展に貢献していくことを期待してやみません」と話しました。
続いて、オハイオ州立大学山口守名誉教授が「これからの獣医学:基礎および臨床獣医学教育の使命と将来展望」と題して講演を行いました。
山口名誉教授は1972年にアメリカに渡り、獣医大学において教育と研究に携わりながら、オハイオ州立大学と本学との交流におよそ30年間尽力してきました。そのことから、オハイオ州立大学との国際交流提携協定締結を実現した佐藤貢元理事長の功績や、ウィスコンシン州やオハイオ州と北海道酪農との深い関わりなどについて話しました。
日本の獣医学教育への提言として、「現在の6・3・3・4制を再考すべきだと思います。アメリカでは、3~4年間の大学教育を終了しなければ、獣医課程に進むことはできません。このシステムでは、幅広い知識を持った、より良い専門家を育成できます。また、一度社会に出てから大学に戻ることも可能にしています」と話しました。そして学生たちに向けて、「自分の内に秘めた能力を発見し、伸ばしてくれるMentor(良き指導者)を、一人でも良いですからこの学校で見つけてください」と激励しました。
最後に、オハイオ州立大学を訪問した本学の教員や職員のスナップ写真を紹介し、大いに盛り上がって講演が終わりました。
また、18時30分からホテルエミシアに会場を移し、教職員、卒業生、関係者175名が参加して記念祝賀会が盛大に開催されました。
田村豊獣医学群長、干場信司学長の式辞の後、来賓として牛尾則文氏(文部科学省高等教育局専門教育課長)、藁田純氏(農林水産省消費安全局畜水産安全管理課長)、池本卯典氏(私立獣医科大学協会会長(日本獣医生命科学大学学長))、高橋徹氏(公益社団法人北海道獣医会会長)から祝辞があり、阿部光雄名誉教授の乾杯で祝宴が始まりました。
獣医学科50年の歩みの映像が流れる中、教職員や卒業生が思い出話に花を咲かせ、懇親を深めました。途中、長年にわたり獣医学科同窓会長として尽力した野村武獣医学科同窓会会長に特別功労賞が授与され、麻田信二理事長の結びのあいさつの後、全員が輪になって酪農讃歌を歌って閉会となりました。