NEWS NO.100(2016年度)
つなげ!酪農大OB・OGリポートvol.4
~活躍する卒業生を追いかけました~
![獣医師 西川 晃豊さん 獣医学科(現・獣医学群 獣医学類)2003年卒業]()
獣医師 西川 晃豊
北海道ひがし農業共済組合 標茶家畜診療所
獣医学部 獣医学科(現・獣医学群 獣医学類)2003年卒業
「大学に入って進路を変えた」
犬や猫など小動物の臨床獣医師を目指して酪農学園大学に入学した西川さんは、大学時代に生産動物(家畜)の獣医師へと大きく進路を変えました。きっかけは、生産動物に触ることができる環境の大学に来たのだから在学中は生産動物に関わってみようと考え、肉牛研究会(サークル)に入ったことです。また、農場での実習に参加したり、農学の講義を積極的に受けたりもしました。「獣医学だけではなく農学も学べることがこの大学の特徴です。農学の講義や実習、そして肉牛研究会に入ったことで農業の素晴らしさを実感しました。生産動物の獣医師になって農家の方々の役に立ち、安全・安心な食料供給に貢献したいと思ったのです」と西川さん。思いを貫き、今、生産動物の獣医師として活躍しています。
「農家の方々から信頼を得る獣医師とは」
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職場は、酪農が盛んな道東を選びました。牛の頭数が多く、したがって診療頭数が多いこと、学術的にも成長が望めそうなエリアだったからです。午前中は農場への往診、午後からは手術やカルテなどの作成を行う毎日です。西川さんは、「生産動物の獣医師は経済性を最優先しなければなりません。命を救うことも大切ですが、治療しない方が良いと判断することで農家の方から信頼を得ることもあります」と言います。そこが人を相手にする医師や小動物の獣医師と決定的に違う点で、難しいけれどやりがいを感じているそうです。
「研究成果を発信する科学者でありたい」
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多忙な日々の中でも西川さんは農家に向けての情報発信を行い、さらに家畜診療に関する研究成果論文の発表にも励んでいます。「獣医師として信頼されること、個体診療の知識や技術が優れていることはもちろん重要ですが、研究成果を発信して生産動物獣医療の発展に寄与する科学者でもありたい」と、西川さんは強い信念を抱いています。そして、生産現場から離れた学問は役に立たないと考えています。それは酪農学園大学の実学教育で身につけたこと。地に足のついた研究は、きっと獣医療の進歩にその足跡を刻むでしょう。