NEWS NO.210(2015年度)
学生が育てた和牛肉の市場調査を実施
学生が自分たちで育てた黒毛和牛の肉の市場調査を行いました.
酪農学園フィールド教育研究センター・肉畜生産ステーション(元野幌)では、黒毛和種や日本短角種など約75頭を飼育していて、家畜繁殖学研究室(堂地修教授)と動物生殖工学研究室(今井敬教授)の学生が、交代で牛の管理や牛舎の清掃を行いながら、肉牛について研究しています。
学生たちは、繁殖から哺育、育成、肥育、出荷までを一貫して手がけており、牛に与える飼料の配合も自分たちで考えて工夫しています。飼料費の低減を図るため、ビール粕やふすま、小麦など、地域にある粗飼料を有効活用し、黒毛和種の肥育時にはビール粕サイレージを飼料に約5割混ぜています。
こうして育てた黒毛和種2頭の肉が、3月25日(金)から岩見沢市内のAコープで販売されることになり、初日に学生たちが市場調査を行いました。学生たちは店頭で、肩ロース、ロース、サーロインなど部位ごとの脂肪交雑、肉の光沢やきめなどの肉質を確認するとともに、試食して味や食感を確かめました。
山田竜太郎さん(家畜繁殖学研究室、4月から4年生)は、「サシ(肉の中に入っている脂肪)が均等に入って良い状態です。脂肪がさっぱりしているので胃もたれしないです」と肉質に納得した様子でした。
酪農学研究科修士課程で体外受精の研究をしている高山茉莉さん(4月から2年生)は、「牛たちが生まれたときから世話をしてきました。かわいがって育てた肉牛が立派なお肉になったのを見て、うれしく思います。和牛はサシが重要視されますが、私たちは牛を健康に育て、手ごろな価格で流通されることをめざしています。そのことを消費者に伝えたいです」と話しました。
学生たちはお客様に、肉牛をどのように育てているかを説明し、「肉質のきめが細かくてジューシー、脂肪が甘い」などの感想を聞くことができました。
堂地教授は、「消費者の声を直接聞くのは学生たちにとって励みになります。黒毛和牛の肉としてはやや赤みがかっていますが、味はとても良いです。ビール粕サイレージ5割の飼料は肉質とコストの両面から良いようです」と話しました。